2019年5月6日月曜日

博多織作家 脇山俊明さん

おりおりのおり で展示されていた作品の中で、心に残りここに残しておきたいと思った作家がいます。博多織作家 脇山俊明さんです。

重要無形文化財の小川規三郎先生の隣に展示してあった銀と水色、緑が瑞々しい新しい博多織が脇山さんの作品でした。

小川先生は、個性的な性格の秋子さんとも仲が良くしていただいた方で、大きな心で秋子さんを受け止めてくださっていたように思います。展覧会でお会いするたびに、思い出(創作の話を聞きたいのに、一日雨戸が動かない話で終わった、といった)を私にも明るく聞かせてくださっていました。

そんな小川先生がこの冬の伝統工芸展でとても気落ちされていたと、母が語っていました。亡くなったんだ、亡くなったんだと繰り返していたけれども、詳しくは聞けなかったと。その方が脇山さんでした。まだ40代ではなかったでしょうか。急病であったようです。

展示されていた作品からは初夏の渓流のようなみずみずしさ、さわやかさ、かつ力強さを受けました。小川先生は、時には赤や紫など強い色を伝統的な博多織の柄に織りこまれるのですが、その雰囲気とは異なっていました。おそらく、ご自分の世界を作られはじめており、師である小川先生は頼もしく思っておられたのだろうと思います。

博多織ディベロップメントの2期生だった脇山さん。最後の力を押して通っていた秋子さんとも、おそらく触れ合ってくださっていたでしょう。秋子さんはなんといって迎えいれたのでしょうか。

受賞・入選作品へのリンクを紹介したいと思います。
おりおりのおり、博多織もご注目ください。

日本工芸会作品一覧
https://www.nihonkogeikai.or.jp/works/9166/

ご自身のブログ織々徒然
http://kusukuma.blog26.fc2.com/blog-category-1.html


【展覧会レポ】おりおりのおり 四季と着物の折と織

4月に福岡県立美術館で開催された常設展『おりおりのおり~ 四季と着物の折と織』に行ってきました。担当学芸員の中島さんのお話もお忙しい中伺うことができ、充実した時間を過ごすことができました。お話を思い出しながら、会話形式で展覧会の紹介します。

ー今回のテーマ、絵画と着物を選ばれたきっかけは?

絵画を好きな方、着物を好きな方、それぞれを好きな方はいらっしゃいます。両方を展示することで新しい分野の魅力に気付いていただければと思い企画をしました。双方の分野への入門編となることを目指しました。

ー高木秋子の作品は、織の作品のなかでは最も多く展示していただいているのですが、それはどうしてですか?

この春から初夏にかけての季節を描いた作品となると、所蔵作品の中では高木先生の作品が最もよかったのです。季節の景色が、絵画のように作品から浮かんできます。絵画的作品であると考えています。

ー貴重な作品、珍しい作品もさりげなく展示されていますね。

そうですね、例えばこの山本作兵衛の代表作である「木枯らし」であるとか、高島野十郎の作品「人形」であるとか。「人形」は親族の娘さんのために描いた作品だそうです。野十郎作品では珍しい人物像もあります。

ー山喜多二郎太先生の作品ともまた再会でき、うれしいです。

楽しくなる、明るくなる作品ですよね。私も肩の力を抜いていいんだよ、日々のしごとを暮らしを味わおう、という気持ちになります。

ーたくさんのかたに来ていただけるとよいですね。

2階のディズニー展からは、、上がってきていただけるとよいなと思っています(笑)

ーありがとうございました。






2019年3月21日木曜日

おりおりのおりー福岡県立美術館コレクション展ー

大変ご無沙汰しております。

平成31年3月16日から6月23日まで福岡県立美術館にて
おりおりのおり 四季と着物の折と織」と題してコレクション展が開催されます。
https://fukuoka-kenbi.jp/exhibition/2019/kenbi10436.html

その中で髙木秋子の作品が前期4点、後期4点展示されることになりました。

前期:「ミモザの季節」、「桃花」、「菜の花畑」、「清流」  
後期:「夏至風」、「柳あおめる」、「麦秋」、「ちゅら、うりずん」

清流、柳あおめるは片経浮織、それ以外は木綿風通織です。
前期は5月12日まで、後期は5月14日までです。
入場料は一般210円、65歳以上の方などは無料です。

春から夏への季節を感じる展示となっております。
山喜多二郎太と髙木秋子展や福岡女子大の展示では公開されなかった作品もあります。私も作品集でしか見たことがない作品が多く、楽しみにしています。

よい季節となります。お散歩がてらお越しください。



                  柳あおめる 
               上 表面  下 裏面  
 
後期に展示される「柳あおめる」は片経浮織です。片経浮織は中国のチワン自治区の工芸品から秋子が考えた織で、裏面が平織り、表面が浮き織になっています。滅亡した蜀の錦にている、滅亡した人々がこの地まで追われおり続けたものではという言葉を秋子は作品集に残しています。
表と裏が2面ありその織は異なると点は木綿風通につながり、両面の違いが顕著なので秋子の織の技術をより伝えやすい作品と思います。

                        出典:作品集「木綿麗容」
                        撮影:片山 文博

自己紹介

2016年秋福岡県立美術館で開催されるコレクション展Ⅱ[山喜多二郎太と高木秋子展の個人的紹介ブログ。高木秋子の家族が書いています。管理人mai