2017年4月29日土曜日

御礼 福岡女子大学での展示を終えて

本日28日、無事展覧会の会場の撤収をすることができました。


企画当初から皆様に心配いただいた紫外線等による作品の痛みはありませんでした。また作品を2週間にわたり、(2日間以外は)直接の監視なく裸展示をしたのですが、何もありませんでした。触れる糸、布もすべて美しいまま戻ってきました。ひとえにおいでくださった皆様、また福岡女子大学の関係者、中でも学生の皆様の感性のたまものです。ありがとうございました。


今回の企画は、福岡県立美術館の展示を秋子さんの後輩に見てほしいなあという家族の気持ちが、つながり、あっという間に当初の想定から離れて広がりはじまりました。


あいさつ文のため協力いただいたみなさんをあげていくと、びっくりするほどたくさんになりました。
また来てくださったみなさんが、それぞれ考え、感じ方を広げていく様子から、高木秋子という作家が、もうすでに亡くなっているにもかかわらず広がり成長していくように感じました。本人はどう思っているでしょう。


改めて、高木秋子にとって、また私たち家族にとっても貴重な展示の機会をくださった梶山学長他大学関係者の皆様、窓口としてともに奮闘いただいた森田教授、仕事を超えてサポートくださった福岡県立美術館魚里課長、アイデアと笑顔をくださったアートマネジメント講座のみなさん、そしてデザイン、カメラ、そしてマネジメントと全面的にサポートしてくださったアートプロジェクト「くすかき」のみなさん、ありがとうございました。


次は早速来月5月13日から6月11日まで、筑後市にある九州芸文館の「水辺にて」という特集で、福岡県立美術館所蔵の2点(清流、凪)が展示されます。


また、12月22日からは広島市現代美術館(MOCA)の大型企画 交わるいと で取り上げられる予定です。福岡から、また工芸からさえも切り離して、現代アートのひとつとしての展示を試みる予定とのことで、とてもとても刺激的な展示になりそうです。


これからもよろしくお願いします。






物事の表をはぎとった奥にあるもの

「平織りはのっぺりとしがちなのですが、高木さんの作品はとても立体的に、見えます。それは、、、風通織という織が二重織りで立体的に見える、といったことだけではなくて、、なんというか、、ものごとの表面をはぎっとって、奥にあるぐちゃぐちゃしたものをそのまま見せてくれているような、、。」




言葉をさがしながら話してくれた博多織の若い織り手の方




「まあ、60代から新しい織を始められたのね、わたし、まだがんばれるのかしら、がんばれってことかしら」「そうよ、そうよ」「いやあちこち痛いのよー」「私、なにができるのかしら、、何しようかしら、なにはじめようかしら」


元気な秋子さんの後輩のみなさん




「講演会で沖縄をテーマに作品を作っていたこと、沖縄への思いや取り組みを話してくださってありがとうございます。すごくうれしかったです。わたし、沖縄から来てるんです。」


現役の学生さん




「うつ病で療養中がご縁があって来られまして、とても熱心にみていかれました。」


森田先生より






「カメラで接写すると、織り目が、、、なんか、こう、、昆虫写真みたいな、、そう蝶のりんぷん写真みたいに見えるね。」




動画を撮影してくれたカメラマンの友人


様々な人が、私の最初の想定を超えたいろいろな見方、感想、感慨、心の動きを秋子さんの作品から引き出していきます。おそらく、それは皆さんの中にもともとあったものではないでしょうか。
私は、そう思うのです。
















2017年4月20日木曜日

17日開会式

17日に福岡女子大での高木秋子展がオープンしました。図書館の日常の中に作品が並ぶ光景は、不思議な感じがします。

17日午後からの福岡県立美術館の魚里さんと、長男の妻 保子さんの対談は、現役の学生さんを中心に120~30人の方の参加をいただきました。最初予定していた100席を超え、あわてて椅子を用意していただきました。
「生きることに前向きだった人」をテーマに展示と時系列にそって人となり、美術や工芸を志した背景、取り組み方、生き方などをお話ししました。最後に、沖縄へのあつい思い、戦後の復興にかける思いや作品のテーマにした自然とのかかわりについて少し保子さんからお話ししました。

その後、沖縄出身の学生さんが保子さんにうれしかったと話しかけてくれたそうです。秋子さんの後輩に、一人でもよいので届きますように思っての企画でしたので、家族にとってもうれしいことでした。

開会式が終わる15時頃は土砂降りの雨になってしまいました。皆様無事にお帰りになれたでしょうか。

次は23日、開学記念日に大勢の方をお迎えする予定です。









2017年4月16日日曜日

関連イベント、工夫

17日からの福岡女子大学での高木秋子展のイベント、工夫をご紹介します。

1  対談
17日の13時半から、図書館内にて福岡県立美術館学芸員の魚里学芸課長と、高木保子(秋子の長男の妻)との対談を行います。
テーマは「いっぱい寄り道した人」。うまくいかなかったことを挫折としてとらえるのではなく、新しい道を模索し続けた秋子さんの生き方を展示と関連づけて紹介します。

2 会場案内
開会式がある4月17日(土)午後と、開学記念日である4月23日(日)終日、福岡女子大学アートマネジメント講座の事務局・受講生の皆さんと高木家一同で会場で来場者の方をご案内します。


3 感じる・考える工夫
3.1 糸や端切れに触ろう
県立美術館の展示でも好評でした、風通織の端切れや、スーピマ綿の糸に触るコーナーを
複数もうけます。

3.2 設計図と作品の対比
こちらも好評でした作品の設計図を、作品と並べて展示します。デザインの過程、設計の過程を
ぜひ体験ください。

3.3 写真撮影
今回の展示では全作品・資料 撮影可能です。これからのものづくりの、考え方の参考にぜひ写真で持ちかえってください。もちろんSNSでの共有も大歓迎です。

3.4 無題を考えよう
中2階に初めて社会にでる作品があります。会長賞を受賞した「勿忘草」と同時期に作られたとおもわれる、薄く軽やかな藍地の風通織です。ただ、展覧会に出品される前に作者が亡くなり、作品名がわかりません。ぜひみなさんで題名を考えていただけませんか?よい題名は今後通称名として使わせていただきたいと考えています。



それではご来場をお待ちしています。








2017年4月3日月曜日

福岡女子大学 髙木秋子展開催

秋子さんの出身校である福岡女子大学で4月17日から28日まで『髙木秋子展 福岡女子大学の教育が育んだ髙木秋子の染織の世界 風通織に至る道筋』が開催されます。17日13時半から、福岡県立美術館 魚里学芸員と長男の妻保子の対談も開催します。

展示は福岡女子大学図書館棟の3か所で、以下の3テーマで行います。
『生い立ち:女専(女子大)時代から戦争へて絣・紬をつくるまで』
『風通織に至る道筋:浮羽地方の風通絣とスーピマ綿から自分の風通織を見出す過程』
『髙木秋子の染織の世界:晩年の代表作』

今回は『過程』『科学』『教育』をキーワードとし、日本・世界各地の織など創作のヒントとなった資料を多く展示するとともに、制作過程がわかるよう作品の設計図と作品を対応させて公開します。

また展覧会等に出すことが出来なかった晩年の未発表の作品、先日美しいキモノで掲載された作品2点なども展示します。福岡県立美術館の展示とはまた違った展示となっていますので、皆さまぜひお越しください。入場は無料です。

なお、場所は福岡女子大内の図書棟です。駐車場は一部ございます。アクセスはこちらから



自己紹介

2016年秋福岡県立美術館で開催されるコレクション展Ⅱ[山喜多二郎太と高木秋子展の個人的紹介ブログ。高木秋子の家族が書いています。管理人mai